絵を描いていて楽しかったことなんて今まで一度もなかったよ
Netflixでアニメ版『ブルーピリオド』の配信が開始され、季節は秋。私は毎年秋になると、心にベレー帽をかぶる。(芸術家のイメージがステレオタイプ)(べっ甲ループタイもしとけ)
もともと高校と短大でデザインに通っていたので、鉛筆も絵の具もスケッチブックも、大変に身近な存在。だけど短大卒業後は、鑑賞専門になっており、ほっとんど絵を描かなくなった。
するとどうなるかって言うとだね。(唐突)
見る目ばっかり肥える!
展覧会なんかに行って「あーひさしぶりに絵を描きたいな」とか思ってスケッチブックを引っ張り出しても、まー描けない。
「くそ!違う」
「対象物をじっくり観察するんだ!」
「この絵でお前が一番伝えたいものはなんだ!?」
「空間を感じろ!」
…みたいな、パッション強め芸術家が私を支配する。
するとどうなるかって言うとだね。(唐突)
やーめっぴ!ですよ。
もともとデザイン科に入った時は、絵が下手だった。下手の横好きって感じでもなく、ただただ下手だった。あとで聞いたら、その高校(学科)の偏差値キープ要員で合格したらしかった、私。正直、別にそんな頭も良いわけではないんだがね。でも多感なティーンエイジャーだった当時のKakioki。その事実は納得はいかずとも、自我をギリ保てるキズパワーパッドになった。
それでもどうにか絵が上手くならにゃ、デッサンや表現で他に劣ると焦り、アホほどある課題に加えてアトリエにも通った。するとどうでしょう。
まぁね、絵はね、練習すればある程度まで上手くなる。ある程度って言っても、あれよ?一般的に言えばかなり上手いよ。そりゃ才能+努力の人の前では、額を擦りすぎて砂利でキズ作るほどひれ伏すしかない。けれど目が肥えてない相手や、心優しい相手なら騙せるレベルにはなる。(言い方気をつけろ)
けれど困ったことに、絵を描くのが楽しかったことは、今までただの一度もない。根強いコンプレックスのせいでもあるけれど、描いている間は眉間に皺を寄せ、自分に怒ったり、悲しみに暮れたりしてばかり。「絵、向いてないんじゃん?」と言われれば「知っとるわ!」で返すね。
けれどやっぱり好きなんだなぁ。描くのが、というより、絵という存在が好き。描く人も、道具も好き。時間も空間も好き。ってことで、最近はアーティストの制作風景ばかり動画で見ているよ。
は〜絵が描きたい。
(シャマランもびっくりの大どんでん返し)